ラディカル・マーケット 脱・私有財産の世紀
序文 オークションが自由をもたらす
第1章 財産は独占である――所有権を部分共有して、競争的な使用の市場を創造する
→COSTについて
競争的共同所有
政府が「自然からの恵み」=土地を所有するが、「人工資本」は私的に所有される。
Georgeの土地税
土地を国有化せず、地代を租税として徴収する。上の建物には課税しない
ジョージ主義の問題点:
土地の投資非効率(環境に与える損害)を無視していた→共有地の悲劇
人工資本(建物)と土地を分けて考えることは難しい
ヴィックリー・コモンズ
すべての財産が共同所有
一番高いレンタル料をつけている市民がその財を保有する
レンタル料は政府が徴収する
問題点:投資効率性
部分共同所有
一つの財産制度の中で配分効率性と投資効率性が最適化される
「クラムトンらのパートナーシップ制度」「テキサス・シュートアウト」
土地などの資産には適用できない
財産の自己申告制度
アテネ「アンチドシス」
競馬「クレーミング・ステークス」
アンドラ公国「ラ・クレーマ」
孫文の自己申告制度
蔣介石が台湾で実施
自宅の評価額を自己申告。その額で国が買い取ることができる。評価額に対して定率の固定資産税
問題点:国家の買い取り意思も能力もなく、失敗
ハーバーガー税 (COST)
評価額を自己申告。その額で常にオークションにかけられる。
税率の設定 配分効率性と投資効率性
評価額に対して回転率と同じ税率をかけると評価額を正直に申告するのが最適となる
回転率:その種の資産が別の人の手にわたる一般的な確率
回転率と税率の関係はクラムトンらのパートナーシップ制度と似ている
配分効率性と投資効率性
一般的には、回転率よりも低い水準で、こうした二つの力がバランスする穏当な税率にすることが最適になる
配分効率性の低下より、投資効率の上昇のプラスが上回る
この辺の説明が理解できていない
死荷重が2乗で増減することがここでも関係している?→QV
COST運用の七つのポイント
資産をまとめたりバラバラにすることを選べるようにする
資産の種類によって猶予期間の設定・配送コストの買い手負担
購入前に検査が必要な資産は価格をいったん凍結→記載価格の数%を保有者に支払い、資産を検査してから購入手続きを進められるようにする
資産の回転率に応じた税率設定:典型的な資産では14年ごと回転・他の要因を考慮して年7%の税率を目標とする
二重課税回避のため、保有者は住宅ローンなどの債務コストを税額控除できるようにする
保守管理が必要な資産のメンテナンスに対する補助
このシステムのために様々なテクノロジーや制度を組み込む(デジタル価格改定システム・ローン等)
COSTの改善効果
7%前後の税率だと国民所得+20%?
第2章 ラディカル・デモクラシー――歩み寄りの精神を育む
→QVについて
第3章 移民労働力の市場を創造する――国際秩序の重心を労働に移す
→個人間ビザ制度(VIP)について
第4章 機関投資家による支配を解く――企業支配のラディカル・マーケット
第5章 労働としてのデータ――デジタル経済への個人の貢献を評価する
結論 問題を根底まで突き詰める
エピローグ 市場はなくなるのか
exported at: 2023/07/10